きれいでないものを

自分がみたものをただ書くことのあまりのむつかしさに困惑している。定型文ばかり書いていた報いだと思う。また、ついつい、きれいなものばかり書いてしまう。文章の良いところは、どんなにきれいでないものもよろしくないものも書いたら文字の並び、言葉の流れになることで、だから丹念にきれいでないことを連ねたものがかえって美しい。また、きれいなものをそのきれいさを伝えるには「きれい、きれい」と喜ぶばかりではなく、描写をしなければいけないのだがそれがまたむつかしい。